#074 湿布薬の処方の70枚制限について
100日連続ブログ更新チャレンジ - 74日目 #Challenge100
本日は、湿布薬の処方についてまとめてみました。
湿布薬の処方はなぜ70枚制限になったのか?
医療費の適正化、また薬剤の適正使用の観点から、改定のたびに様々な医薬品が規制されてきた流れの中で、2016年度改定で湿布薬が対象となりました。
2012年度(平成24年度)改定
ビタミン剤について、単なる栄養補給目的での投与は保険対象外へ
2014年度(平成26年度)改定
うがい薬について、治療目的でない場合は保険対象外へ
2016年度(平成28年度)改定
湿布薬について、1処方につき原則70枚の処方制限となる
その後の湿布薬の処方状況
2016年度(平成28年度)診療報酬改定後、70枚を超えて調剤された処方箋の割合は減少しているようです。
対象となる「湿布薬」の定義とは
- 対象となる「湿布薬」は、貼付剤のうち、薬効分類上の鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤をいう。(ただし、専ら皮膚疾患に用いるものを除く。)
- 気管支拡張剤(ツロブテロール等)、医療用麻薬(フェンタニル等)等の貼付剤は対象外
湿布薬の処方箋等の記載要領
湿布薬の処方箋等の記載要領
- 1回あたりの使用量および1日あたりの使用回数
- 投与日数
処方箋等の記載例(以下のいづれでもよい)
例1 Mパップ 28枚 (1日2枚×14日)
例2 Mパップ 28枚 (14日分)
例3 Mパップ 28枚 (1日2枚)
7 「処方」欄について
投薬すべき医薬品名、分量、用法及び用量を記載し、余白がある場合には、斜線等により余白である旨を表示すること。
診療報酬請求書等の記載要領等について ┃ 厚生労働省
(3) 用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載すること。特に湿布薬については、1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数 、又は投与日数を必ず記載すること。
レセプトの返戻にご注意
1回あたりの使用量および1日あたりの使用回数、もしくは投与日数のいづれかの記載がないと、レセプトで返戻となる場合がありますので、処方箋に記載がなくても入力しましょう。
処方箋に70枚を超えて処方されている場合は?
- 70枚を超えて投薬することが必要であると処方医が判断した趣旨が、処方箋の備考欄に記載されていることを確認
- 備考欄に記載がない場合は処方元に疑義照会
8 「備考」欄について
(7)1処方につき 70 枚を超えて湿布薬を投与する場合は、当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨を記載すること。
診療報酬請求書等の記載要領等について ┃ 厚生労働省
レセプト摘要欄への記載
70枚を超えて湿布薬が処方されている処方箋に基づき調剤を行った場合は、処方医が当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨について、処方箋の記載により確認した旨又は疑義照会により確認した旨を記載する必要があります。
電算コード | 左記コードによるレセプト表示文言 |
---|---|
820100377 | 処方箋記載により確認 |
820100378 | 疑義照会により確認 |
湿布薬に関する疑義解釈(Q&A)
-
湿布薬については、1処方につき70枚の制限となっているが、「70枚」の判断は、湿布薬の種類ごとに70枚ではなく、処方された湿布薬全体の合計枚数が70枚という理解でよいか。
-
そのとおり。
━ 疑義解釈資料の送付について(その1)2016年(平成28年)3月31日 ┃ 厚生労働省保険局医療課
参考サイト
ビタミン剤・うがい薬・湿布薬に関する診療報酬改定での対応 ┃ 中医協総会第367回(平成29年11月1日)
平成28年度診療報酬改定説明(調剤)┃ 厚生労働省保険局医療課
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この記事を書いた人
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メディカルサーブ株式会社 代表取締役
システムコンサルタント、インストラクター、エンジニア、デザイナー、講師など、いくつもの肩書を兼任。いわゆるプレイングマネジャー。
趣味はマラソン。マラソン歴10年目にしてサブスリーを達成。フルマラソン自己ベストは2:57:40(第8回水戸黄門漫遊マラソン:2023/10/29)
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湿布薬の1処方あたり70枚ということは分かりました。では、月当たり何枚までと言う制限はありますか。
岩井さま
コメントありがとうございます。
ご質問の件ですが、湿布薬の処方について月あたりの制限の規制は現在ありません。おそらく今後もないと思われます。
以前、保険対象外にする議論もありましたが、紆余曲折あり今の規制に落ち着いておりますので、将来的には保険から外れるものと考えられます。
あくまで個人的な意見となりますが、ご参考にしていただけると幸いです。