#077 乳幼児服薬指導加算(臨時取扱)
100日連続ブログ更新チャレンジ - 77日目 #Challenge100
本日は、2020年12月15日に発出された「乳幼児服薬指導加算(臨時取扱)」についてご紹介いたします。
乳幼児服薬指導加算(臨時取扱)とは
2020年12月15日に厚生労働省保険局医療課から事務連絡として発出された「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31)」で明示された臨時的な加算となります。
9月29日追記 2021年9月28日の事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その63)」において、2021年10月調剤分〜2022年3月調剤分までの取り扱いが変更になりました。
薬学管理料
区分 | 点数 |
---|---|
乳幼児服薬指導加算(臨時取扱) | 12点 |
乳幼児服薬指導加算(臨時取扱) 2021年10月調剤分〜2022年3月調剤分 9月29日追記 | 6点 |
当加算は、薬剤服用歴管理指導料およびかかりつけ薬剤師指導料の加算となっておりますので、どちらかの薬学管理料を算定している必要があります。
乳幼児服薬指導加算(臨時取扱)の算定要件
6歳未満の乳幼児で、特に必要な感染予防策を講じた上で、必要な薬学的管理指導を行うことが要件となっています。
- 保険薬局において、6歳未満の乳幼児に係る調剤に際し、小児の外来診療等において特に必要な感染予防策を講じた上で、必要な薬学的管理及び指導を行い、「薬剤服用歴管理指導料」又は「かかりつけ薬剤師指導料」を算定する場合、現行の要件を満たせば算定できる加算に加えて、「薬剤服用歴管理指導料」注8に規定する「乳幼児服薬指導加算」に相当する点数(12点)をさらに算定できることとすること。
新型コロナウイルスに感染している患者ではなくても算定できるの?
当加算は、要件を満たせば、新型コロナウイルスに感染していない患者でも算定できると思われます。
「薬剤服用歴管理指導料」注8とは
既存の「乳幼児服薬指導加算」のことを指します。この場合は体重や指導内容を手帳に記載することが算定要件となりますが、「乳幼児服薬指導加算(臨時取扱)」の算定要件にはその旨の記載がありませんので、薬剤服用歴管理指導料を算定する要件を満たし、かつ本加算の要件を満たせば算定できると思われます。
特に必要な感染予防策とは
別添で以下の疑義解釈も出ていますね。
-
1について、小児の外来診療等において「特に必要な感染予防策」とは、どのようなものか。
-
「小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症 2019(COVID-19)診療指針・第1版(小児 COVID-19 合同学会ワーキンググループ)」を参考に、小児の外来における院内感染防止等に留意した対応を行うこと。
院内感染防止等に留意した対応の例
- COVID-19 に特徴的な症状はなく、小児では出現しても訴えとして現れることが期待できないことから、一人の患者ごとに手指消毒を実施すること。
- 流行状況を踏まえ、家庭内・保育所内等に感染徴候のある人がいたか、いなかったのかを確実に把握すること。
- 環境消毒については、手指の高頻度接触面と言われるドアノブ・手すり・椅子・スイッチ・タッチパネル・マウス・キーボードなどは定期的に70~95%アルコールか0.05%次亜塩素酸ナトリウムを用いて清拭消毒し、特に小児が触れる可能性が高い場所は重点的に行うこと。
既存の乳幼児服薬指導加算との併算定は?
前述の文章を読むと「現行の要件を満たせば算定できる加算に加えて、「薬剤服用歴管理指導料」注8に規定する「乳幼児服薬指導加算」に相当する点数(12点)をさらに算定できることとすること。」とあるので、既存の乳幼児服薬指導加算と同時に併算定が可能と思われます。
12点+12点 で 24点の算定が可能となりますね。
現行の要件を満たせば算定できる加算に加えて、「薬剤服用歴管理指導料」注8に規定する「乳幼児服薬指導加算」に相当する点数(12点)をさらに算定できることとすること。
新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31) ┃ 厚生労働省保険局医療課
レセプトコード(調剤行為マスター)も既存の乳幼児服薬指導加算とは別に、新たに設けられているようです。
調剤行為コード | 調剤行為名称 |
---|---|
440010170 | 乳幼児服薬指導加算(薬剤服用歴管理指導料・6歳未満・臨時取扱) |
440010270 | 乳幼児服薬指導加算(かかりつけ薬剤師指導料・6歳未満・臨時取扱) |
オンライン服薬指導では算定不可
以下のとおり、当加算は「特に必要な感染予防策を講じた上」で実施することの評価なので、オンライン服薬指導の場合は算定できません。
-
1について、小児の外来診療において特に必要な感染予防策を講じて診療等を行う保険医療機関等において、6歳未満の乳幼児に対して、「新型コロナウイルスの感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和2年4月10日厚生労働省医政局医事課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡)及び「歯科診療における新型コロナウイルスの感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和2年4月24日厚生労働省医政局歯科保健課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡)に基づき、電話や情報通信機器を用いた診療又は服薬指導を実施した場合、どのような取扱いとなるか。
-
1については、小児の外来における診療等については、特に手厚い感染症対策を要することを勘案し、小児の外来診療等において特に必要な感染予防策を講じた上で実施された診療等を評価するものであるため、電話や情報通信機器を用いた診療又は服薬指導を実施した場合は、算定できない。
臨時取扱期間はいつまで?
現時点(2020年12月15日時点)では、来年(2021年)2月調剤分までとなっております。2021年3月以降は今後検討していくとのことです。
12月18日追記 本日の中医協で2021年9月調剤分までの継続が決まりました。さらに2021年10月以降は半減(6点)とのこと。
2020年12月15日〜2021年2月28日9月30日
なお、本事務連絡による臨時的な取扱いは、当面、令和2年度中(令和3年2月診療分)までの措置とし、令和3年度(令和3年3月診療分以降)の取扱いについては、令和3年度予算編成過程において検討することとしている点に留意すること。
新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31) ┃ 厚生労働省保険局医療課
このうち、小児の外来診療に係る措置については、令和3年9月末まで行う。「同年10月以降については、~同年度末まで規模を縮小した措置を講じること~を基本の想定としつつ、感染状況や地域医療の実態等を踏まえ、年度前半の措置を単純延長することを含め、必要に応じ、柔軟に対応する」こととする。
新型コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて┃中央社会保険医療協議会総会(第470回)
2021年10月調剤分〜2022年3月調剤分は6点
2021年9月28日付けの事務連絡(新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その63))において、2022年(令和4年)3月調剤分までの延長が正式に決まりました。
1.小児の外来診療等に係る措置について
「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い(その31)」(令和2年12月15日厚生労働省保険局医療課事務連絡)の1及び「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い(その35)」(令和3年2月26日厚生労働省保険局医療課事務連絡)の1により、令和3年9月診療分まで実施している小児の外来診療等に係る特例的な評価については、同年10月診療分から令和4年3月診療分までの取扱いとして、以下の取扱いとする。(3)保険薬局において、6歳未満の乳幼児に係る調剤に際し、小児の外来診療等において特に必要な感染予防策を講じた上で、必要な薬学的管理及び指導を行い、「薬剤服用歴管理指導料」又は「かかりつけ薬剤師指導料」を算定する場合、現行の要件を満たせば算定できる加算に加えて、「01 調剤料」注3に規定する「向精神薬、覚醒剤原料又は毒薬を調剤した場合」に係る加算に相当する点数から「00調剤基本料」注7に規定する点数に相当する点数を減算した点数(6点)をさらに算定できることとすること。
新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その63) ┃ 厚生労働省保険局医療課
疑義解釈(2021年1月8日更新)
-
「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31)」(令和2年12月15日厚生労働省保険局医療課事務連絡)の1の(3)の加算について、小児の患者本人と対面せず、患者の家族等のみに対し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合でも算定できるのか。
-
算定できない。
──(2021年1月8日) 新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その32)│ 厚生労働省保険局医療課
どうぞご参考にしていただけると嬉しいです。
それでは、また!
参考サイト
新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31) ┃ 厚生労働省保険局医療課
新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その32) ┃ 厚生労働省保険局医療課
新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その63) ┃ 厚生労働省保険局医療課
小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症 2019(COVID-19)診療指針・第1版 ┃ 小児 COVID-19 合同学会ワーキンググループ
調剤行為マスターの改定について ┃ 診療報酬情報提供サービス
新型コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて┃中央社会保険医療協議会総会(第470回)
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この記事を書いた人
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メディカルサーブ株式会社 代表取締役
システムコンサルタント、インストラクター、エンジニア、デザイナー、講師など、いくつもの肩書を兼任。いわゆるプレイングマネジャー。
趣味はマラソン。マラソン歴10年目にしてサブスリーを達成。フルマラソン自己ベストは2:57:40(第8回水戸黄門漫遊マラソン:2023/10/29)
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非常に興味深い記事をありがとうございます。
ですが、私が厚生局に確認した内容とは少し違っていましたので、ご連絡させていただきました。
当方、神奈川で勤務していますので、厚生局神奈川事務所に確認しました。
事務連絡文中の、
「現行の要件を満たせば算定できる加算に加えて、「薬剤服用歴管理指導料」注8に規定する「乳幼児服薬指導加算」に相当する点数(12点)をさらに算定できることとすること。」
→「~に加えて」という書き方なので、乳幼児服薬指導加算を算定している患者のみが更に算定できる解釈となります。現状の通知の書き方では、6歳未満で乳幼児服薬指導加算を算定していないor算定できない患者は対象外です。
と、神奈川事務所の指導課の方がおっしゃっていました。
続報があれば連絡をくれると言っていましたが、、、。
個人的には、加算の内容的に、なぜ乳幼児服薬指導加算と併算定しなければいけないのか理解できません。
別の地区の厚生局はまた違う解釈を持っているのかもしれませんが、こういった解釈の内容は、全国の多数の薬剤師が参考にされると思われますので、情報共有させていただきました。
からあげだいすき薬剤師様
コメントありがとうございます!
また、貴重な情報をいただき、ありがとうございます!
本ページの情報は、現時点でこちらで把握している解釈としての内容になります。
(レセコンメーカー、薬剤師会等で確認済み)
頂いた情報はそちらの地域の解釈として参考にさせていただきたいと思います。
また情報がありましたら、ご連絡いただけるとうれしいです。