#064 退院時共同指導料
100日連続ブログ更新チャレンジ - 64日目 #Challenge100
本日は、退院時共同指導料についてご紹介いたします。
退院時共同指導料とは
退院時共同指導料(薬学管理料)
保険医療機関に入院中の患者について、当該患者の退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が、当該患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な薬剤に関する説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医又は保健師、助産師、看護師若しくは准看護師と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回に限り算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、当該入院中2回に限り算定できる。
区分 | 点数 |
---|---|
退院時共同指導料(入院中1回/末期の悪性腫瘍患者等は入院中2回) | 600点 |
退院時共同指導料の留意事項
- 退院時共同指導料は、保険医療機関に入院中の患者について、当該患者の退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が、原則として当該患者が入院している保険医療機関(以下「入院保険医療機関」という。)に赴いて、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な薬剤に関する説明及び指導を、入院保険医療機関の保険医又は看護師等と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回(別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については2回)に限り算定できる。なお、ここでいう入院とは、第1章第2部通則5に定める入院期間が通算される入院のことをいう。
- 退院時共同指導料の共同指導は対面で行うことが原則であるが、保険薬局又は入院保険医療機関のいずれかが「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2年3月5日保医発 0305 第2号)の別添3の別紙2に掲げる医療を提供しているが医療資源の少ない地域に属する場合は、保険薬局の薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導した場合でも算定可能である。
- 退院時共同指導料の共同指導は対面で行うことが原則であるが、当該患者に対する診療等を行う医療関係職種等の3者(当該保険薬局の薬剤師を含む。)以上が参加しており、そのうち2者以上が入院保険医療機関に赴き共同指導を行っている場合に、保険薬局の薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導した場合でも算定可能である。
- ②及び③において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。
- 退院時共同指導料は、患者の家族等、退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる。
- 退院時共同指導料を算定する場合は、当該患者の薬剤服用歴の記録に、入院保険医療機関において当該患者に対して行った服薬指導等の要点を記載する。また、患者又はその家族等に提供した文書の写しを薬剤服用歴の記録に添付する。
- 退院時共同指導料は、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならない。
厚生労働大臣が定める疾病等の患者
退院時共同指導料の算定は入院中1回に限りますが、以下、厚生労働大臣が定める疾病等の患者の場合は、入院中2回算定することができます。
- 末期の悪性腫瘍の患者(在宅がん医療総合診療料を算定している患者を除く。)
- ①であって、②または③の状態である患者
①在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅悪性腫瘍等患者指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理、在宅肺高血圧症患者指導管理又は在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者
②ドレーンチューブまたは留置カテーテルを使用している状態
③人工肛門または人工膀胱を設置している状態
- 在宅での療養を行っている患者であって、高度な指導管理を必要とするもの
退院時共同指導料のレセプトの作成
退院時共同指導料のレセプトは、処方箋に基づく調剤分のものとは別に、単独で作成します。(外来服薬支援料と同じ)
- 処方箋の受付回数…「0回」
- 医療機関の所在地・名称、医療機関コード、保険医氏名は記載しない
第2 調剤報酬明細書の記載要領(様式第5)
1 調剤報酬明細書の記載要領に関する一般的事項
(3) 同一患者につき、同一医療機関の保険医が交付した処方箋に係る調剤分については、一括して1枚の明細書に記載すること。ただし、歯科と歯科以外の診療科の処方箋については、それぞれ別の明細書に記載すること。また、外来服薬支援料及び退院時共同指導料に係る明細書については、処方箋に基づく調剤分に係る明細書とは別とし、それぞれ単独の明細書とすること。
2 調剤報酬明細書に関する事項
(14) 「保険医療機関の所在地及び名称」欄、「都道府県番号」欄、「点数表番号」欄及び「医療機関コード」欄について
処方箋を発行した保険医(以下「処方医」という。)が診療に従事する保険医療機関の所在地、名称、都道府県番号、点数表番号及び医療機関コードを処方箋に基づいて記載すること。また、外来服薬支援料及び退院時共同指導料に係る明細書については記載しないこと。
(15) 「保険医氏名」欄について
処方医である医師又は歯科医師の姓名を記載すること。なお、同一医療機関で同一患者に対し、異なる医師又は歯科医師が処方箋を発行した場合には、当該欄に当該処方医の姓名を1の項から順番に記載すること。処方箋を発行した医師又は歯科医師の数が10人を超えた場合は、「摘要」欄に11以降の番号を付して医師又は歯科医師の姓名を記載すること。また、外来服薬支援料及び退院時共同指導料に係る明細書については記載しないこと。
(16) 「受付回数」欄について
イ 同一の保険医療機関で一連の診療に基づいて同一の患者に交付された処方箋を同一日に受け付けた場合は、複数診療科に係るものであっても枚数にかかわらず受付回数は1回となること。ただし、歯科診療に係る処方箋とそれ以外の処方箋についてはこの限りでない。また、長期投薬又は後発医薬品に係る分割調剤に係る調剤基本料を算定する調剤、医師の指示による分割調剤に係る自局での初回以外の調剤並びに服薬情報等提供、在宅患者訪問薬剤管理指導、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導、在宅患者緊急時等共同指導、服用薬剤調整支援料、外来服薬支援及び退院時共同指導は、受付回数としては計上しないこと。
診療報酬請求書等の記載要領等について ┃ 厚生労働省
レセプト摘要欄のコメント記載
指導年月日、共同して指導を行った患者が入院する保険医等の氏名及び保険医療機関の名称並びに退院後の在宅医療を担う保険医療機関の名称を記載すること。
電算コード | 左記コードによるレセプト表示文言 |
---|---|
830100450 | 患者が入院している保険医療機関の保険医等の氏名(退院時共同指導料);**** |
830100451 | 患者が入院している保険医療機関名(退院時共同指導料);****** |
830100452 | 退院後の在宅医療を担う保険医療機関名(退院時共同指導料);****** |
退院時共同指導料の疑義解釈(Q&A)
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退院時共同指導料については、どの時点で算定するのか。
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指導を実施した時点で算定する。
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退院時共同指導料は、介護保険の適用患者についても算定できるのか。
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算定できる(医療保険が適用される)。ただし、退院後に在宅で療養を行う患者が対象であり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院もしくは入所する患者(いわゆる転院や転床)、または、死亡退院した場合については算定できない。
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退院時共同指導料の算定後に患者が死亡退院した場合、当該指導料の保険請求についてはどう取り扱うべきか。
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患者が死亡退院した場合は、退院時共同指導料に係る保険請求を取り下げる必要がある。
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入院から在宅医療へ移行するにあたっては、病院(入院中)ではなく、退院直後に患家でカンファレンスを実施することもあるが、患家でカンファレンスを実施した場合にも退院時共同指導料は算定できるのか。
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退院時共同指導料は入院中の患者について算定するものであり、患家で指導を実施した場合には算定できない。
━ 平成20年度調剤報酬改定等に関するQ&A 2008年(平成20年)3月25日 ┃ 日本薬剤師会
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この記事を書いた人
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メディカルサーブ株式会社 代表取締役
システムコンサルタント、インストラクター、エンジニア、デザイナー、講師など、いくつもの肩書を兼任。いわゆるプレイングマネジャー。
趣味はマラソン。マラソン歴10年目にしてサブスリーを達成。フルマラソン自己ベストは2:57:40(第8回水戸黄門漫遊マラソン:2023/10/29)
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