#056 在宅患者調剤加算
100日連続ブログ更新チャレンジ - 56日目 #Challenge100
本日は、在宅患者調剤加算について、ご紹介いたします。
施設基準の要件は意外とハードルが低いので、在宅の実績のあるのに届け出ていない薬局様はぜひ参考にしていただければと思います。
在宅患者調剤加算とは
在宅業務を推進するため、過去の実績も考慮した施設基準を満たす薬局が、在宅患者向けに調剤した場合の評価として2012年(平成24年)改定で新設された施設基準。
在宅業務に十分に対応するためには、相応の体制整備が必要となることから、在宅業務に十分に対応している薬局に対して、一定以上の過去の実績も考慮した施設基準を満たす薬局が、在宅患者に対する調剤を行った場合に、所定点数を加算します。
調剤技術料(調剤基本料加算)
- 在宅患者調剤加算 15点(処方箋受付1回につき)
在宅患者調剤加算の算定要件
- 地方厚生(支)局長に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行っている保険薬局であること。
- 在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績として、当該加算の施設基準に係る届出時の直近1年間の在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン服薬指導料を除く。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の算定回数が、合算して計10回以上であること。(前年3月1日から当年2月末日までの実績により判定し、当年の4月1日から翌年の3月末日まで所定点数を算定できるものとする。)
- 緊急時等の開局時間以外の時間における在宅業務に対応できる体制が整備されていること。緊急時等に対応できる体制の整備については、在宅協力薬局の保険薬剤師と連携して対応する方法を講じている場合も含むものである。
- 地方公共団体、保険医療機関及び福祉関係者等に対して、在宅業務実施体制に係る周知を自ら又は地域の薬剤師会等を通じて十分に行っていること。
- 当該保険薬局において、在宅業務従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づき研修を実施するとともに、定期的に在宅業務に関する外部の学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)を受けさせていること。併せて、当該保険薬局の保険薬剤師に対して、薬学等に関する団体・大学等による研修認定の取得、医学薬学等に関する学会への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行わせていることが望ましい。
- 医療材料及び衛生材料を供給できる体制を有していること。また、患者に在宅患者訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局に対し保険医療機関から衛生材料の提供を指示された場合は、原則として衛生材料を当該患者に供給すること。なお、当該衛生材料の費用は、当該保険医療機関に請求することとし、その価格は保険薬局の購入価格を踏まえ、保険医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねるものとする。
- 麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができること。
在宅患者調剤加算の注意事項
- 在宅患者調剤加算は、以下の在宅関連点数を算定している患者に対し調剤を行った場合に算定できる。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急時等共同指導料
- 居宅療養管理指導費(介護保険)
- 介護予防居宅療養管理指導費(介護保険)
- 在宅関連点数の算定に基づく薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病または負傷に係る臨時の投薬が行われた場合にも、本加算が算定できる。
- 当該施設基準の届出は受理されれば1年間適用されるため、毎月直近1年間の実績を計算し直す必要はない。
- 分割調剤(長期投薬に係る分割調剤および後発医薬品の分割調剤)の2回目以降の調剤時には算定できない。
- 在宅患者調剤加算の施設基準において、在宅協力薬局(旧名称:在宅サポート薬局)が訪問薬剤管理指導を実施し、在宅基幹薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した場合は、当該回数は在宅基幹薬局の算定回数として計上する。
在宅患者調剤加算の施設基準の届出
要件を満たしたら、こちらの届出書を提出しましょう。
疑義解釈(Q&A)のまとめ
今までの在宅患者調剤加算に関する疑義解釈をまとめてみました。
-
在宅協力薬局が訪問薬剤管理指導を実施し、在宅基幹薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した場合、在宅患者調剤加算の届出に係る算定回数については、どちらの薬局のものとして計上するのか。
-
在宅基幹薬局の算定回数として計上する。
━ 疑義解釈資料の送付について(その1)2012年(平成24年)3月30日 ┃ 厚生労働省保険局医療課
-
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者について、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合にも、在宅患者調剤加算は算定できるのか。
-
算定できる。
━ 疑義解釈資料の送付について(その1)2012年(平成24年)3月30日 ┃ 厚生労働省保険局医療課
-
在宅患者調剤加算の届出に係る管理・指導の実績は、届出時の直近1年間の在宅薬剤管理指導(在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費)の合計算定回数により判断するが、同加算は届出からどの程度適用することができると解釈するのか。 また、届出を行った以降も、直近1年間の状況を毎月計算する必要があるのか。
-
在宅患者調剤加算は、届出時の直近1年間の実績で判断し、届出が受理された日の属する月の翌月1日(月の最初の開庁日に届出が受理された場合は、当月1日)から当年度の3月末日まで適用することができる(それ以後は、前年3月1日から当年2月末日までの実績により、当年4月1日から1年間適用)。したがって、その間は毎月直近の算定実績を計算する必要はない。
━ 疑義解釈資料の送付について(その2)2012年(平成24年)4月20日 ┃ 厚生労働省保険局医療課
-
在宅患者調剤加算の届出に係る在宅薬剤管理指導の実績(直近1年間の合計算定回数)については、
①在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン服薬指導料を除く)、
②居宅療養管理指導費、
③介護予防居宅療養管理指導費
が対象とされているが、それ以外(在宅患者緊急訪問菜剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、退院時共同指導料)は、算定実績の対象には含まれないのか。
-
そのとおり。
━ 疑義解釈資料の送付について(その2)2012年(平成24年)4月20日 ┃ 厚生労働省保険局医療課
いかがだったでしょうか。
たかが15点、されど15点です。
この加算は、在宅業務をやられている薬局への評価として作られたものなので、ぜひ、積極的に算定していってください。
それでは、また!
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この記事を書いた人
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メディカルサーブ株式会社 代表取締役
システムコンサルタント、インストラクター、エンジニア、デザイナー、講師など、いくつもの肩書を兼任。いわゆるプレイングマネジャー。
趣味はマラソン。マラソン歴10年目にしてサブスリーを達成。フルマラソン自己ベストは2:57:40(第8回水戸黄門漫遊マラソン:2023/10/29)
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