#049 【調剤事務】なぜ用法を変えただけで自己負担金が上がるの?

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【調剤事務】なぜ用法を変えただけで自己負担金が上がるの?
100日連続ブログ更新チャレンジ - 49日目 #Challenge100

 

本日は、実際にあった調剤事務の事例をご紹介いたします。


今回は用法を変更しただけで、自己負担金が上がってしまったというお話しです。

これは、調剤報酬の独特な計算方法にカラクリがありました。

では、いったいなぜ点数が変わってしまったのか?

早速、詳しく解説していきましょう!

処方箋の入力 → 修正

たとえば、以下のような処方箋を入力したとします。

処方箋

Rp.1 A 3錠 毎食後 70日分
Rp.2 B 2錠 朝夕食後 70日分
Rp.3 C 1錠 朝食後 70日分
Rp.4 D 2錠 朝夕食前 70日分

ところが、入力した後に間違いに気づきました。

実はRp.4のDは朝夕食前ではなく朝夕食後だったので、以下のように用法を修正しました。

処方箋(修正後)

Rp.1A3錠毎食後70日分
Rp.2B2錠朝夕食後70日分
 D2錠 
Rp.3C1錠朝食後70日分

たった、これだけ。Dの用法の変更により、DがRp.4からRp.2に移動しただけです。

なのに、なぜか自己負担金が210円も上がってしまいました。。。

薬品数は同じままです。調剤料も変わらないし、ましてや1日用量や日数が変わっている訳ではありません。いったい、なぜ?

では、点数を計算して、どこが変わっているのか探っていきましょう。

調剤料の点数を計算してみる

まず調剤料を計算してみます。

内服薬の調剤料は剤ごとに投与日数で計算します。

内服調剤料の点数計算

修正前の調剤料

Rp.170日分86点
Rp.270日分86点
Rp.370日分86点
Rp.470日分

修正後の調剤料

Rp.1 70日分 86点
Rp.2 70日分 86点
Rp.3 70日分 86点
内服薬調剤料の点数
7日分以下28点
8日分〜14日分55点
15日分〜21日分64点
22日分〜30日分77点
31日分以上86点

2020年調剤報酬点数表より

もともと、Rp.1〜3で内服薬調剤料はMAXの3剤まで算定しているので、Rp.4には調剤料として点数が発生しません。(内服薬調剤料は3剤まで)

よって、Dの用法が変わりRp.2に移動しても、調剤料には変化はありませんでした。

薬剤料の点数を計算してみる

続いて、薬剤料を計算してみます。(分かりやすくするため、BとDだけで計算)

薬価は、Bは6.2円、Dは37.5円とします。

内服薬の薬剤料の計算は、まず剤ごとに1日薬価を出して、点数に変換し、そこに投与日数をかけて算定します。

薬剤料の点数計算

修正前の薬剤料

Rp.薬価1日薬価薬剤料日数薬剤料計
Rp.2B 6.2円12.4円1点70日分70点
Rp.4D 37.5円75円7点70日分490点
560点
薬剤料の計算は15円以下は1点、15点を超えると10円増すごとに1点加算される。

修正後の薬剤料

Rp.薬価1日薬価薬剤料日数薬剤料計
Rp.2B 6.2円 + D 37.5円87.4円9点70日分630点
630点

薬剤料を計算してみた結果

ここで点数に差が生まれました!

端数処理の違いにより、1日あたりの薬剤料が1点増えて、70日分で70点上がってます。

630点 ー 560点 = 70点

700円 (70点) × 0.3 (3割負担) = 210円

薬剤料の計算は五捨五超入

薬剤料の計算での端数処理は、四捨五入ではなく五捨五超入という方式で算定することになっています。

五捨五超入とは
  • 1日薬価が15円以下の場合…1点
  • 1日薬価が15円を超える場合は10円またはその端数が増すごとに…1点
1日薬価点数
〜15円1点
15.01〜25.00円2点
25.01〜35.00円3点

2020年調剤報酬点数表より

これで、薬剤料の点数が変わったことにより、自己負担金が上がったことが判りました!

修正前は、Bの1日薬価は12.4円だから、15円以下ということで1点。Dは75円だから7点と、二つとも切り捨てられていたのに対して、修正後は87.4円なので9点と切り上げとなりました。

よって、1日あたりの点数が1点増えて、投与日数分(70日分)をかけた70点(700円)上がってしまったということです。

原因が判って、スッキリしましたね!

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回の内容は調剤事務の基本中の基本なので、知っている事務員さんも多いと思いますが、意外と知らない方も少なくないと思い事例として紹介してみました。

今はレセコンがすべて計算してくれるので、計算方法が分からなくても業務上差し支えありませんが、例えば、一つの薬が前回から減っているのに点数が変わらないとか、実は結構あるんですよね。

そういった患者さんからのクレームにも対応できるように、いざという時にキチンと説明できるようにしておくと、より信頼される薬局になれると思います。

それでは、また!

●100日連続更新達成まで、あと51日! #Challenge100

 

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この記事を書いた人

Hiroshi.K
Hiroshi.K
メディカルサーブ株式会社 代表取締役

システムコンサルタント、インストラクター、エンジニア、デザイナー、講師など、いくつもの肩書を兼任。いわゆるプレイングマネジャー。
趣味はマラソン。サブスリーを目指す市民ランナー。フルマラソン自己ベストは3:07:17(つくばマラソン:2016/11/20)
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