#022 特定薬剤管理指導加算2
100日連続ブログ更新チャレンジ - 22日目 #Challenge100
引き続き2020年改定で新設された加算シリーズになりますが、本日は「特定薬剤管理指導加算2」をご紹介いたします。
特定薬剤管理指導加算2とは(薬剤服用歴管理指導料加算)
特定薬剤管理指導加算2とは、がん患者に対する質の高い医療の提供の評価として、今年2020年改定で新設された加算です。
薬学管理料
特定薬剤管理指導加算2 100点(月1回まで)
薬剤服用歴指導加算を算定していることが前提条件です
特定薬剤管理指導加算2に関する施設基準
特定薬剤管理指導加算2を算定するには、まず以下の施設基準を届け出ている必要があります。
特定薬剤管理指導加算2の施設基準
- 施設基準の届出時点において、保険薬剤師としての勤務経験を5年以上有する薬剤師が勤務していること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。
- 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターをするなど、患者のプライバシーに配慮していること。
- 麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができる体制が整備されていること。
- 保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に当該保険薬局に勤務する常勤の保険薬剤師が年1回以上参加していること。
- 令和2年9月30日までの間は、(4)による基準を満たしているものとする。
- 特定薬剤管理指導加算2の施設基準に係る届出は、別添2の様式92を用いること
出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 令和2年3月5日 保医発0305第3号 ┃ 厚生労働省
特定薬剤管理指導加算2の対象患者
特定薬剤管理指導加算2の対象患者
- 「連携充実加算」を届け出ている医療機関
- 抗悪性腫瘍剤を注射された悪性腫瘍患者
(新:医科)連携充実加算とは
患者にレジメン(治療内容)を提供し、患者の状態を踏まえた必要な指導を行うとともに、地域の薬局薬剤師を対象とした研修会の実施等の連携体制を整備している場合の評価
出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和2年3月5日 保医発0305第1号 ┃ 厚生労働省
特定薬剤管理指導加算2の算定要件
特定薬剤管理指導加算2の算定要件
充実加算を届け出ている保険医療機関において、抗悪性腫瘍剤を注射された悪性腫瘍の患者に対して、抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局の保険薬剤師が以下の全てを実施した場合に算定する
- 当該患者のレジメン(治療内容)等を確認し、必要な薬学的管理及び指導を行うこと。
- 当該患者が注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関し、電話等により服用状況、副作用の有無等について患者又はその家族等に確認すること。
- 確認結果を踏まえ、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供すること。
出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和2年3月5日 保医発0305第1号 ┃ 厚生労働省
特定薬剤管理指導加算2の算定タイミング
特定薬剤管理指導加算2の算定タイミング
保険医療機関に対して情報提供を行い、その後に患者が処方箋を持参した時である。
この場合において、当該処方箋は、当該加算に関連する薬剤を処方した保険医療機関である必要はない。
その他、注意事項
- 「抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局」とは、患者にレジメン(治療内容)を交付した保険医療機関の処方箋に基づき、保険薬剤師が抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤を調剤する保険薬局をいう。
- 特定薬剤管理指導加算2における薬学的管理及び指導を行おうとする保険薬剤師は、原則として、保険医療機関のホームページ等でレジメン(治療内容)を閲覧し、あらかじめ薬学的管理等に必要な情報を把握すること。
- 電話等による患者の服薬状況及び副作用の有無等の確認は、電話の他、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(以下「ビデオ通話」という。)による連絡及び患者が他の保険医療機関の処方箋を持参した際の確認が含まれる。電話又はビデオ通話により患者に確認を行う場合は、あらかじめ患者に対し、電話又はビデオ通話を用いて確認することについて了承を得ること。
- 患者の緊急時に対応できるよう、あらかじめ保険医療機関との間で緊急時の対応方法や連絡先等について共有することが望ましい。また、患者の服薬状況の確認において、重大な副作用の発現のおそれがある場合には、患者に対して速やかに保険医療機関に連絡するよう指導することや受診勧奨を行うことなどにより、必要な対応を行うこと。
- 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。
- 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情等提供料は算定できない。
- 患者1人につき同一月に2回以上の情報提供を行った場合においても、当該加算の算定は月1回のみとする。
- 抗悪性腫瘍剤等に関する患者の服用状況及び副作用の有無等の確認を行う際に、他の保険医療機関又は他の診療科で処方された薬剤に係る情報を得た場合には、必要に応じて、患者の同意を得た上で、当該他の保険医療機関等に情報提供を行うこと。この場合において、所定の要件を満たせば服薬情報等提供料を算定できる。
7 特定薬剤管理指導加算2
(1) 特定薬剤管理指導加算2は、診療報酬点数表の第2章第6部注射通則第7号の連携充実加算を届け出ている保険医療機関において、抗悪性腫瘍剤を注射された悪性腫瘍の患者に対して、抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局の保険薬剤師が以下のアからウまでの全てを実施した場合に算定する。
ア 当該患者のレジメン(治療内容)等を確認し、必要な薬学的管理及び指導を行うこと。
イ 当該患者が注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関し、電話等により服用状況、副作用の有無等について患者又はその家族等に確認すること。
ウ イの確認結果を踏まえ、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供すること。(2) 「抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局」とは、患者にレジメン(治療内容)を交付した保険医療機関の処方箋に基づき、保険薬剤師が抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤を調剤する保険薬局をいう。
(3) 特定薬剤管理指導加算2における薬学的管理及び指導を行おうとする保険薬剤師は、原則として、保険医療機関のホームページ等でレジメン(治療内容)を閲覧し、あらかじめ薬学的管理等に必要な情報を把握すること。
(4) 電話等による患者の服薬状況及び副作用の有無等の確認は、電話の他、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(以下「ビデオ通話」という。)による連絡及び患者が他の保険医療機関の処方箋を持参した際の確認が含まれる。電話又はビデオ通話により患者に確認を行う場合は、あらかじめ患者に対し、電話又はビデオ通話を用いて確認することについて了承を得ること。
(5) 患者の緊急時に対応できるよう、あらかじめ保険医療機関との間で緊急時の対応方法や連絡先等について共有することが望ましい。また、患者の服薬状況の確認において、重大な副作用の発現のおそれがある場合には、患者に対して速やかに保険医療機関に連絡するよう指導することや受診勧奨を行うことなどにより、必要な対応を行うこと。
(6) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。
(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。
(8) 患者1人につき同一月に2回以上の情報提供を行った場合においても、当該加算の算定は月1回のみとする。
(9) 抗悪性腫瘍剤等に関する患者の服用状況及び副作用の有無等の確認を行う際に、他の保険医療機関又は他の診療科で処方された薬剤に係る情報を得た場合には、必要に応じて、患者の同意を得た上で、当該他の保険医療機関等に情報提供を行うこと。この場合において、所定の要件を満たせば服薬情報等提供料を算定できる。
出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和2年3月5日 保医発0305第1号 ┃ 厚生労働省
レセプト摘要欄のコメント
当該患者に抗悪性腫瘍剤を注射している保険医療機関の名称及び当該保険医療機関に情報提供を行った年月日を記載すること。
電算コード | 左記コードによるレセプト表示文言 |
---|---|
850100372 | 情報提供を行った年月日(特定薬剤管理指導加算2);(元号)yy“年”mm“月”dd“日” |
830100445 | 患者に抗悪性腫瘍剤を注射している保険医療機関名(特定薬剤管理指導加算2)****** |
疑義解釈
疑義解釈資料の送付(その1) 令和2年3月31日
-
特定薬剤管理指導加算1と特定薬剤管理指導加算2は併算定可能か。
-
特定薬剤管理指導加算2の算定に係る悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤以外の薬剤を対象として、特定薬剤管理指導加算1に係る業務を行った場合は併算定ができる。
-
患者が服用等する抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤の調剤を全く行っていない保険薬局であっても算定できるか。
-
算定できない。
-
電話等により患者の副作用等の有無の確認等を行い、その結果を保険医療機関に文書により提供することが求められているが、算定はどの時点から行うことができるのか。
-
保険医療機関に対して情報提供を行い、その後に患者が処方箋を持参した時である。
この場合において、当該処方箋は、当該加算に関連する薬剤を処方した保険医療機関である必要はない。なお、この考え方は、調剤後薬剤管理指導加算においても同様である。
-
電話等による服薬状況等の確認は、メール又はチャット等による確認でもよいか。
-
少なくともリアルタイムの音声通話による確認が必要であり、メール又はチャット等による確認は認められない。なお、電話等による患者への確認に加え、メール又はチャット等を補助的に活用することは差し支えない。
いかがだったでしょうか。
この加算は充実連携加算を届け出ている病院が条件なので、ある程度限られてしまいますが、もし抗癌剤を積極的に扱っているなど環境が整っているのであれば、対人業務の評価としてどんどん算定していきたいですね。
それでは、また!
参考サイト
診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示) 別表第三 調剤報酬点数表 │ 厚生労働省
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 ┃ 厚生労働省
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) ┃ 厚生労働省
●100日連続更新達成まで、あと78日! #Challenge100
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この記事を書いた人
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メディカルサーブ株式会社 代表取締役
システムコンサルタント、インストラクター、エンジニア、デザイナー、講師など、いくつもの肩書を兼任。いわゆるプレイングマネジャー。
趣味はマラソン。マラソン歴10年目にしてサブスリーを達成。フルマラソン自己ベストは2:57:40(第8回水戸黄門漫遊マラソン:2023/10/29)
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